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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.9 No.1 Spring 2004

大学病院に入院している患者における散発性のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)発生のコントロール

Calfee, D.P., Giannetta, E.T., Durbin, L.J., et al.
Control of endemic vancomycin-resistant Enterococcus among inpatients at a University Hospital.

第三次医療を提供するベッド数600床のバージニア大学附属病院において、1994年11月から1999年10月までの5年間、VREによる病院感染およびVREの定着をコントロールするため、VREが定着した患者からの分離およびサーベイランスの実施効果を検討した。また、入院時の培養プロトコールが月毎のVREの定着率に及ぼす効果を求めるため、ポアソン回帰モデルを検討した。なお、本モデルでの検討はVREの定着率が増加した1997年1月から1999年9月の間でのデータを含めて実施した。

実施期間を通しVREの患者への定着は、128,266人の入院患者のうち1,050人であり、0.82%の割合であった。また、VRE感染の発生率は1日1,000人の患者当たり0.12例(罹患率0.07%)であった。定着した患者は最初のサーベイランスで全体の95%が、また日常の臨床検査で残りの5%が同定された。VREが定着した患者の14%はサーベイランス培養が陽性を示した後、15日目をピークとして臨床検査結果が陽性であった。定着した患者の10%は、他の医療施設から搬送されてきたときのサーベイランスにより同定された。これらの定着した患者の同定は、一つのピークの発病率が2.07%から1.25%に減少したこと、およびこの低レベルの発病率が安定していることに関係していた。無症状の定着である患者を同定ならびに隔離するためのサーベイランス培養の使用は、医療施設内でのVREの広がりを継続的にコントロールできる可能性がある。

結論として、医療施設でVREが蔓延する最初の貯蔵場所は無症状な状態で定着した患者である。医療施設におけるVRE耐性のコントロールのためにCDCの推奨事項を実行することは、散発例が発生した後でさえ病院内でのVREの蔓延のコントロールに効果を示す。VREが流行している施設でさえ、上記の方法によるコントロールは成功するものと考えられる。腸内のバンコマイシン耐性遺伝子の獲得に基づくVREを示唆する臨床分離耐性黄色ブドウ球菌の近年の同定結果より、医療施設内でのVREの拡散をコントロールすることの重要性を強調する。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.9 No.1 p8-11 Spring 2004

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