CDC 2006年病院感染対策サーベイランス -NNISシステムからNHSNに変更して報告-
http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/nnis_05delay.html
Published online 2006.12.28
Revised on 2007.02.13
CDC(米国疾病予防管理センター)は2006年の病院感染対策サーベイランス報告書をNHSN(National Healthcare Safety Network:NHSN)のデータで報告すると発表しました。2007年の春の終わりにAmerican Journal of Infection Control及びCDCのホームページに掲載予定とのことです。各集中治療室(intensive care units:ICU)とその他の科におけるデバイス関連感染率及び利用率などが掲載されます。手術部位感染率(surgical site infection:SSI)と抗菌薬使用率及び耐性菌率(antimicrobial use and resistance:AUR)については、現段階のNHNSではまだ安定した評価をするにはデータが不足しているため、今回は掲載されません。各医療機関にてSSIとAURを当局の報告と比較する場合には、2004年のNNIS Reportを使用するように述べています。
注:2005年は各医療機関でサーベイランスシステムをNNISからNHSNへ移行した時期のため、NHSNでのデータは不足しており、CDCは2005年については病院感染サーベイランス報告書を発表しませんでした。2006年はNHSNが軌道に乗りデータが一部を除いて充分に揃ったことを示しています。
NHSN(National Healthcare Safety Network:NHSN)について:
CDCは2004年末に病院感染対策サーベイランスシステムをNNISシステム(the National Nosocomial Infections Surveillance System:NNIS)など以下の3つのサーベイランスを統合してNHSNへ変更しました。
- 全米病院感染サーベイランス:National Nosocomial Infections Surveillance System (NNIS)
- 透析サーベイランス:Dialysis Surveillance Network (DSN)
- 医療従事者の安全性サーベイランス:National Surveillance System for Health Care Workers (NaSH)
サーベイランスは3つのコンポートメントから構成されています。
- 患者の安全性:Patient Safety
- 医療従事者の安全性:Healthcare Personnel Safety
- 研究開発:Research and Development
項目 | NNIS | NHSN | |
全体 | 参加 施設 |
・100床以上の急性期医療病院 | ・すべての医療施設 |
報告 方法 |
・DOSソフト使用 ・電話回線でデータ送信 |
・Webベース ・暗号メッセージでデータ送信 |
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報告書 書式 |
・すべての感染症で同じ書式 | ・各イベントにあった書式 | |
デバイス関連 | データ 集積 対象 部門 |
・集中治療室、ハイリスク新生児室 | ・集中治療室、ハイリスク新生児室、その他 |
集積 データ |
・すべての感染 | 以下から選択(複数可) ・カテーテル関連尿路感染 ・カテーテル関連血流感染 ・人工呼吸器関連肺炎 |
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手技 関連 |
データ集積 対象者 |
・手術を受けた入院患者 | ・手術を受けた入院患者及び外来患者 |
集積 データ |
・すべての感染症 あるいは ・手術部位感染症のみ |
・手術部位感染と処置後肺炎 またはいずれか一方 |
NHSNについてはhttp://www.cdc.gov/ncidod/hip/NNIS/members/nhsn.htmを、
NNISとNHSNの比較は、http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/pdf/nhsn/NHSN_NNISCompare.pdfをご覧ください。
なお、このNHSNには、今後まだ多少の修正もありえるとのことで、現段階においては最終確定したものではないとのことです。