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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.11 No.2 Summer 2006

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌の共定着

Furuno, J.P., Perencevich, E.N., Johnson, J.A., et al.
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus and Vancomycin-resistant Enterococci Co-colonization.
Emerg. Infect. Dis., 11:1539-1544, 2005.

我々は、2002年1月1日~2003年12月31日まで、週末ケアー施設の内科並びに外科の集中治療室(ICU)入院時に、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が共に定着した患者の流行、リスク要因および臨床結果について評価解析した。VREおよびMRSAの共定着は、平行して集めたMRSA陽性の前鼻腔のサーベイランス培養と共に、VRE陽性直腸周辺のサーベイランス培養に基づいて決定した。また、2,440人の患者のうち、65人(2.7%)で共定着が認められた。247人(10.1%)はVREのみが定着し、175人(7.2%)はMRSAのみが定着していた。追加分析のために利用した直腸周辺サンプルで、MRSA/VREが共定着した57人の患者のうち23人(40.8%)は直腸周辺のVREおよびMRSAの鼻腔内定着に加え、直腸周辺にMRSAが定着していた。個々のリスク要因では年齢がオッズ比で1.03、95%信頼範囲が1.01~1.05、内科のICUへの入院がオッズ比で4.38、95%信頼範囲が2.46~7.81、男性であることがオッズ比で1.93、95%信頼範囲が1.13~3.30、また過去1年以内に入院し抗菌剤での治療を受けていたことがオッズ比で3.06、95%信頼範囲が1.85~5.07であった。臨床培養のみで同定できたMRSA/VREの共定着患者は一人もいなかった。我々は、終末ケアー病院のICUへの入院時におけるVREとMRSAの共定着が高頻度で流行することを報告する。

すなわち、本報で示したデータより、週末ケアー病院でICUに入院した際におけるVREおよびMRSAに共定着を示した患者の割合が非常に高頻度であることを示している。しかも、これらの患者は臨床培養では陰性を示さなかった。これらの患者の多くは、他の研究施設へ排出されることにより、処理した内科医および感染制御職員は、VREの定着および感染のリスクにさらされると考えられることより、適切な予防策を講じなければならない。

VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)の出現を制圧するためには、共定着を示す患者を迅速に検出するための、より適切な方法を決定しなければならない。MRSA、VREおよびVRSAの患者間の伝播の制限およびヘルスケアー施設における流行性のVREの定着を予防することである。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.11 No.2 p8-10 Summer 2006

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