ウェールズ地方、イギリス北西部におけるトリインフルエンザH7N2
Health Protection Report June 1, 2007, Vol.1 No.22
http://www.hpa.org.uk/hpr/news/default.htm#av_flu
http://www.hpa.org.uk/hpr/
北ウェールズ地方の小規模農場で死んだニワトリからH7トリインフルエンザウィルスが検出されたとの報告が、5月23 日、Animal Health(旧the State Veterinary Service)からThe NationalPublic Health Service for Wales(NPHS)に対してあった。このニワトリは、5月7日に、チェシールのシルフォード市場で売られたもので、イギリス北西部で発生したその他の家禽、ヒトにおける感染例についてもこの市場との関連性が確認された。
今回NPHS が調査した、なんらかの接触歴のある256名のうち、17例がカゼ様症状または結膜炎を呈している。また、これに関連して、イギリス北西部で報告されたA 型インルエンザ感染確認済みの2例は、どちらも症状は軽く、すでに退院をしている。ただし、両者とも感染をしている家禽との接触歴があり、A型ウィルス陽性が確認されたうえ、H7ウィルス感染と同様の症状を呈していた。
1982年以降発生している大規模な鳥インフルエンザ感染のほとんどは、H5とH7によるものである。2004年1月以降、東南アジアやその他の国々では、A型ウィルスの亜型であるH5N1による集団感染が発生した。
集団感染の発生 | ||||
H9N2 | 中国1998 6 例 |
香港1999 2 例 |
香港2003 1 例 |
香港2007 1 例 |
H7N2 | アメリカ2002-3 2 例 |
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H7N7 | オランダ 89例 (死亡例1例) |
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H7N3 | カナダ2004 2 例 |
イギリス2006 1 例 |
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H10N7 | エジプト 2 例 |
現段階において、ヒトへの感染はその数が少なく、またヒトからヒトへの感染があっても、ごくまれである。しかし、低病原性のH5やH7が家禽類における流行を何度か繰り返すことで高病原性へ突然変異し、またヒトにおけるヒトインフルエンザA型との同時感染によって、ヒトからヒトへの感染性を高める可能性もある。
高病原性トリインフルエンザの感染対策については、「Y’s Letter No.27 高病原性トリインフルエンザについて」をを参照ください。