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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.13 No.3 Autumn 2008

周産期医療における感染対策

小林 寛伊(東京医療保健大学/大学院)
1. 周産期の感染制御
小林寛伊(東京医療保健大学/大学院)
出産は、正常分娩であれば大きなリスクは伴わないであろうが、ハイリスクの症例も少なくなく、最近の周産期医療の進歩は、多くのハイリスク症例に対応できる水準となってきている。そこに、新生児集中管理治療室Neonatal Intensive Care Unit(NICU)のみならず、合併症妊婦などハイリスク妊娠や切迫流産の可能性の高い妊婦に対応するための産科ICUとしての母体胎児集中治療室Maternal Fetal Intensive Care Unit(MFICU)が普及してきている。Perinatologyという言葉が使われており、アメリカ合衆国、Johns Hopkins Medicineでは、perinatologyを以下のように定義している。
2. 看護の立場から
西岡みどり(国立看護大学校)
はじめに
近年の全国的な産婦人科医師の偏在に伴い産科の集約化が進んでいる。分娩を取り扱う施設では年間分娩件数の増加と医療従事者の業務多忙が推察され、実効性のある感染対策の重要性が増している。
周産期の看護における感染対策では水平感染だけでなく、妊娠中の胎盤、分娩時の血液や産道、産後の母乳を介しての垂直感染に配慮しなければならない。また、妊娠や出産は健康な営みであるため、周産期看護は安全に留意しつつも家庭的で自由な環境を提供することが求められており、他分野の看護とは異なる感染対策上の配慮が必要である。
3. NICUにおける感染対策
中村知夫(国立成育医療センタ- 周産期診療部 新生児科)
はじめに
新生児は、感染症に対する防御能や免疫的背景の特殊性に加え、出生前の子宮内感染、産道感染、出生後の医療関連感染を含め、出生前後でさまざまな微生物にさらされる危険性がある。また、重篤な感染症の発症は、生命的予後だけでなく、たとえ救命できたとしてもその後の身体精神運動発達に大きな影響を与える。このような易感染性を持つ新生児のケアを行うNICUでは、感染対策が栄養管理と同様に最も基本的かつ重要な医療行為である。
4. 産科棟における感染防止策
井本寛子(日本赤十字社医療センター看護部)
はじめに
産科は、分娩を取り扱い、血液・体液、分泌物および排泄物の曝露の機会が多いこと、一方では、免疫機能が十分でないとされる新生児を収容するという感染管理上の特性をもっている。分娩時の感染対策は、ダイナミックな分娩進行と個別性を無視できない。児の娩出前には便汚染なども起きる一方、産後には予想不可能な出血もあり、子宮内処置には清潔操作が必須である。また、近年、新生児のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)予防のため、常在菌叢の有効性や、母乳育児へのワンステップとして出生後の母児早期接触の意義が評価されてskin to skin contactがスタンダード化した。そして、多くの産科施設で母児同室制が導入されるようになった。
このような現状を背景に、当センターでの産科病棟を中心とした感染防止対策の実際と変遷について述べたい。

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Carlisle Vol.13 No.3 p1-7 Autumn 2008

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