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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.13 No.3 Autumn 2008

手術室における節水、衛生

Jehle K
Clean and green:saving water in the operating theatre.
Ann R Coll Surg Engl 2008;90:22-24.

従来の外科的手指消毒法は、抗菌石けん、消毒剤(クロルヘキシジン、ヨウ素、アルコール、四級アンモニウム化合物)を用いる洗浄法である。近年、アルコール擦式手指消毒剤の使用が増えている。アルコール擦式消毒剤は、従来の方法に比べ、殺菌作用も優れ、手術室において節水が可能となる。そこで、従来の方法での水の使用量と消毒剤の費用を調査し、アルコール擦式消毒剤の費用と比較した。

手術部記録より、1年間の手術数、手指洗浄を行うスタッフ数を調査した。また、手術部スタッフで、30回の洗浄時の流水量、消毒剤(20%グルコン酸クロルヘキシジン液、7.5%ポビドンヨード液)またはアルコール擦式消毒剤(Sterillium®)の使用量を調査した。

従来の方法で1回の手指消毒時、標準である3分間に使用する水は18.5Lであった。1回の手術では、平均3.25回の手指消毒が行われ、総量で60.2Lの水が使用される計算となる。当院では、1年間で15,500回の手術が行われており、931,938Lの水が手指洗浄のみで使用される計算となる。当院(500床の総合病院)では、2005年の年間水道使用料は283,000ポンド(英国:0.42-1.00ポンド/m3M)であった。

従来の洗浄法では、3分間に抗菌石けんを平均25mL(20-35mL)使用し、アルコール擦式消毒剤では3分間に15mL(10-20mL)を使用した。1回使用量当たりで計算すると、アルコール擦式消毒剤では13.5ペンス、ヨウ素製剤8ペンス、クロルヘキシジン11.8ペンスであった。

アルコール擦式消毒剤は、有効性も高く、節水が可能である。手術時の手指消毒法を考慮する場合には、製品費用だけではなく、貴重な資源である水の使用量も考慮すべきである。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.13 No.3 p12-14 Autumn 2008

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