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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.14 No.4 Winter 2010

擦式アルコール製剤使用に関する蛍光ラベル擦式消毒剤と皮膚水分量の測定を用いた 医学生への教育効果の短期的評価

Hautemanière A, Diguio N, Daval MC, et al.
Short-term assessment of training of medical students in the use of alcohol-based hand rub using fluorescent-labeled hand rub and skin hydration measurements.
Am J Infect Control 2009;37(4):338-340.

適正な手指衛生への取り組みは、医療関連感染の予防において最も費用効率の高い手段の一つである。しかし、その効果は証明されているにも関わらず、手指衛生の徹底率は多くの医療従事者において極めて低いのが現状である。

手指衛生において、擦式アルコール製剤の使用はより有効とされ、従来の消毒効果を有する石鹸を用いた手洗いに比較し、高いコンプライアンスを得てきた。一方、その擦式手技の効果判定は、微生物学的検査法により行われてきたが、結果が判明するまでに数日を要することから、より迅速かつ再現性の高い判定基準が求められている。

そこで本研究においては、擦式アルコール製剤の使用効果に関連する2つの項目、すなわち蛍光ラベルした擦式消毒剤の被曝面積率と皮膚水分量の測定により効果を評価することとした。蛍光ラベル擦式法については、擦式アルコール製剤の評価方法としての有効性について、微生物学的検査法と比較検討した。加えて、擦式アルコール製剤使用後の皮膚水分量を測定することにより、擦式アルコール製剤の皮膚脱水への影響について調査した。

調査対象はNancy大学病院で働く92名の医学生とし、それぞれ手指衛生に関するアンケートを実施するとともに、擦式手技、皮膚水分量、細菌数および種類、手洗い前後の蛍光ラベルの変化について調査した。

結果、先行研究同様に、少なくとも短期的には標準的な指導によって著しく衛生的手洗いに関する技術が向上した。また、蛍光ラベル化した擦式アルコール製剤の使用は簡便であり、手指表面の細菌数による効果判定とも相関性が高いことが認められたことから信頼性も高く、擦式アルコール製剤の使用手技の評価方法に適していることが示された。皮膚水分量試験についても、簡便かつその他の評価方法との相関性が高いことから、擦式効果判定に有効である可能性が示された。また、適正な手技による擦式アルコール製剤の使用において皮膚水分量が増加したという事実は、アルコールは手を乾燥させるという使用者の不安軽減につながる効果もあると考えられる。

 手指衛生教育における蛍光ラベル擦式法および皮膚水分量の使用は、擦式アルコール製剤の適正使用の推進に貢献すると考える。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.14 No.4 p8-10 Winter 2010

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