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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.15 No.2 Summer 2010

病院危機管理計画の評価:感染制御指針

Rebmann T
Assessing hospital emergency management plans:A guide for infection preventionists.
Am J Infect Control 2009;37:708-714.

病院危機管理計画は、バイオテロリズム、感染アウトブレイク、パンデミックといった生物学的脅威を含むすべての危機に対処する必要がある。多くの病院計画書があるが、感染防止問題に言及しているものは多くはない。感染防止のための網羅的危機管理計画指針が必要であり、種々の報告から感染防止方策を収集し、1つの指針とした。

2008年12月、感染制御、緊急事態管理等について文献検索を行ったところ、49報告が該当し、次の11領域が確認された。

①病院危機管理計画と生物学的事項:病院危機管理計画はすべての生物学的脅威について言及する必要がある。計画は定期的に更新され、他の公的機関の計画と整合すべきである。②大規模死傷者事象への準備の評価:病院は大規模死傷者事象への自らの準備(隔離室、手洗い場等)を評価すべきである。計画には施設評価を行う時期と方法を述べる。地域連携訓練を行う。③感染防止方針と方法:感染拡大防止対策(環境消毒、来院者制限、患者の汚染除去法、移動、隔離等)、疫学的調査体制、危機的状況の治療等を包括すべきである。④職業的健康管理方針と方法:大規模災害時には職業的感染の危険性が増加する。予防接種、ハイリスク職員の管理方法を概説する。⑤サーベイランスとトリアージ:バイオテロリズム、アウトブレイク、パンデミックを検出し、同定するための症候サーベイランスプログラムを記載する。感染患者の接触歴追跡調査、季節性インフルエンザ発生率調査等を包括すべきである。⑥報告、連絡計画と情報管理:病院内職員への情報伝達、他機関との連携、感染防御装置の共用等が含まれる。⑦検査での感染防止問題:24時間体制の検査、バイオテロリズム等での検体収集、政府機関等との連携が必要である。⑧収容能力問題:感染性が疑われる患者殺到時の対応、収容能力、パンデミック期間として見積もられる8週間分の器材、病院外からの人的援助等を包括すべきである。⑨感染治療、予防的化学療法、ワクチン:薬品やワクチンの備蓄、感染症治療や予防的化学療法およびワクチンの優先順位を記載し、最新のガイドラインを参照することが必要である。⑩感染防止教育:手指衛生、消毒法等の教育が必要である。⑪身体に関する設備の感染防止問題:食物や水の管理、下水道や公衆衛生システム、医療廃棄物の管理等を包括することが必要である。

感染制御専門家は、本論文を自分の病院の危機管理計画の評価手段として、また大規模災害時の感染伝播を減らす方策として使用すべきである。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.15 No.2 p8-10 Summer 2010

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