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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.15 No.2 Summer 2010

世界保健機関(WHO)の手指衛生観察方法

Sax H, Allegranzi B, Chraïti MN, et al.
The World Health Organization hand hygiene observation method.
Am J Infect Control 2009;37:827-834.

手指衛生アドヒアランス(積極的な実施)のモニタリングと、その結果の医療従事者へのフィードバックは、複合的な手指衛生推進プログラムにおいて非常に重要であるが、アドヒアランスの評価方法には大きなばらつきが存在しているのが実情である。

そこで、世界保健機関(WHO)では、First Global Patient Safety Challengeの「清潔なケアはより安全なケア(Clean Care is Safer Care)」の一環として、手指衛生アドヒアランスの評価、教育および報告のためのエビデンスに基づいた利用者向けのコンセプトである「手指衛生を実践する5つの瞬間(My five moments for hand hygiene)」を作成した。

【参考】「手指衛生を実践する5つの瞬間」
①患者と直接接触する前
②清潔/無菌操作の前
③体液曝露リスクの後
④患者接触後
⑤患者周辺環境への接触後(患者への直接接触がない場合も含む)

このコンセプトは、医療手指衛生に関するWHOガイドライン(WHO Guidelines on Hand Hygiene in Healthcare)を臨床現場で活用するために考え出されたものであり、利用可能な物資に関係なく全ての医療機関へ適用するために、世界中の多くの医療期間で試験されてきた。

本稿は、この「手指衛生を実践する5つの瞬間」の手指衛生観察方法について、世界共通の利用を目的として、その概念、観察者のプロフィールおよび業務、観察者の教育および能力検定、データ収集様式、対象範囲、観察対象となる医療従事者の選定、観察期間について詳細に解説したものである。また、運用に際して必要な標本数の算出、調査結果の解析と報告、主なバイアスと交絡因子についても検討、報告している。

手指衛生モニタリングにおいては、物資に依存しない観察手法の効果のみならず、バイアスや交絡因子の影響も調査する必要がある。そのため、本稿では、標準的な観察手法を用いるとともに、本稿で解説した方法を採用することを強く推奨している。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.15 No.2 p8-10 Summer 2010

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