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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.15 No.2 Summer 2010

若年層の間でのマスクの使用、手指衛生、および季節性のインフルエンザ様疾患: ランダム化した介入的な試み

Aiello AE, Murray GF, Perez V, et al.
Mask Use, Hand Hygiene, and Seasonal Influenza-Like Illness among Young Adults:A Randomized Intervention Trial.
J Infect Dis 2010;201:491-498.

A型インフルエンザの大流行の間、抗ウイルス剤の処方は限定され、ワクチンは初期の段階では利用されなかった。また、非薬剤的な介入による効果については、不確実であった。われわれの研究は、フェイスマスクの使用および手指衛生がインフルエンザ様疾患の発生を減少させるかどうかを試験することであった。

今回、2006~2007年のインフルエンザの流行する季節において、大学の居住ホールで生活する1,437人の若者を対象に、一つのランダム化した介入的な試みを設計した。居住ホールの学生は、6週間にわたって、フェイスマスクを使用するグループ、手指衛生の実施後フェイスマスクを使用するグループ、およびコントロールグループの3グループにランダムに割り当てられた。一般的なモデルから臨床的に診断するための割合、または毎週および累積のインフルエンザ様の疾患のサーベイランス報告を集計した。

コントロール群と比較して、ワクチン接種や他の適切な手法の実施後、フェイスマスクの着用および手指衛生の実施グループで、35%(信頼間隔(CI)、9-53%)から51%(CI、13-73%)の範囲で、4~6週間インフルエンザ様疾患の発生の有意な減少が観察された。フェイスマスクの着用のみでは、コントロール群と比較して、減少効果があまり変わらなかったが、補正した評価結果では、統計学的には有意でなかった。フェイスマスクの着用および手指衛生の実施、並びにフェイスマスクのみの着用は、インフルエンザ様疾患の発生率を累積的に減少させる効果は認められなかった。

しかし、フェイスマスクの着用および手指衛生の実施は、共有する住居環境中での呼吸器疾患の発生を抑えるかも知れなく、そして、A型(H1N1)インフルエンザの大流行の衝撃を和らげることが示唆された。われわれは、日常のフェイスマスクの相対的で緩やかな使用時でさえ、使用による予防効果があることを述べた。最後に、われわれの検討結果は、冬季におけるインフルエンザ様疾患の伝播を減らすための介入(フェイスマスクの着用および手指衛生の実施)が、個々の人間同士がより接近している住環境で顕著な効果を示すかも知れないことを示唆している。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.15 No.2 p8-10 Summer 2010

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