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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.2 Summer 2011

超高速ハンドドライヤーと従来からの温風ハンドドライヤーの衛生学的効果の比較評価

AM, Saville T, Stevens D, et al.
Comparative evaluation of the hygienic efficacy of an ultra-rapid hand dryer vs conventional warm air hand dryers.
J Appl Microbiol 2010;110:19-26.

本研究の目的は、(A)乾燥後の細菌の移行、および(B)ドライヤーを使用した手指のラビングの細菌数の影響力に関して、温風空気ドライヤーに対する超高速ハンドドライヤーを比較検討することであった。Airblade™ドライヤー(Dyson Ltd)を手指から水を除くための2つの空気ナイフとして使用し、一方、従来からのドライヤーについては手指(両手)をもむとともに湿気を除くための温かい空気として使用した。これらのアプローチは、14人のボランティアを使用し、比較した。すなわち、Airblade™および2つのタイプの温風空気ドライヤーを使用して実施した。本研究Aでは、手指を肉の取り扱いで汚染させ、そして標準的な手法で洗浄した。ドライヤーを使用後、指を金属箔上に押し付け、残存菌の移行を計測した。5本の指あたり0~100~10⁷CFUの移行が観察された。10秒間の乾燥時間で、Airblade™は、他のドラーヤーに比べて、有意に細菌の移行率が少なかった(p<0.05;範囲:0.0003~0.0015)。他のドライヤーを30~35秒間使用したとき、Airblade™の傾向は、良い性能を保っていたが、差異は有意ではなかった(p>0.05;範囲:0.1317~0.4099)。研究Bでは、乾燥時間の手指のラビングの有無を検討した。乾燥の前後での手のひら、指および指先から移行する細菌をコンタクトプレートで計測した。両手を従来通り固定したとき、ドライヤー間の差異はなかった。そして、放出される菌数の減少度合いは、おおむねペーパータオルを使用した場合と同様に高かった。温風ドライヤーを使用したときのラビング(手の擦り合わせ)は、皮膚上の細菌数の減少を妨げた(p<0.05)。 効果的な手指の乾燥は、共生関係にある菌の移行量の減少または表面汚染の残存を減少させるのに重要である。しかし、温かい空気での乾燥による手指のラビングは、手指洗浄時による細菌数の減少を妨げる場合がある。Airblade™は、細菌の移行数を減らす点で、温風ドライヤーよりも優位であった。10秒間の短い乾燥時間は、手指乾燥に用いるのに、大きなコンプライアンス(応諾)を得やすいと考えられる。このことより、手指を介する感染の拡散を減少させる手助けとなる。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.16 No.2 p7-9 Summer 2011

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