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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.4 Winter 2012

看護師の手指衛生を改善する自動モニタリングシステムの施行

Levchenko AI, Boscart VM, Fernie GR
The feasibility of an automated monitoring system to improve nurses’ hand hygiene.
Int J Med Inform 2011;80:596-603.
 

病院感染は患者の脅威となっており、これを防止するために手指衛生は必要となっている。しかし、医療スタッフの手洗いコンプライアンスの低下が病院感染防止を困難としている。トロントのリハビリテーション施設では以前、手指衛生の向上を目指して自動手指衛生システム(HH)を開発した。今回の実験は、このシステムに改良を加え、このシステムの技術的な説明を可能にすること、この科学技術が医療スタッフに受け入れられることを証明するために行った。

規模の大きな継続ケア病院の4つの看護室に、このシステムが導入された(4床部屋2つと2床部屋1つ)。本システムは赤外線交信を利用したもので、壁に埋め込まれたディスペンサーと、スタッフ個人が持つ電子モニターから構成された。研究に同意が得られた11人の看護師が参加した。入口区域のシステムは部屋の出口と入口に分け、ホール通路と病室の脇に設置した。病室の大きさにより1~2個のセンサーは行動区域に設置した。HHの作動は埋め込みディスペンサーを外部コントローラーで計測して記録された。また、HH作動はスタッフ個人が持つ電子モニターとアルコールゲル・ディスペンサーでの交信も記録された。合計1,438例がモニター部屋の出入りを行い、145時間以上にわたってシステムが稼働し記録され、その平均は6.24HH作動/時間であった。観察研究のベースラインは4.2HH作動/時間を示した。

1,438例中387例は、HH作動が患者の部屋へ入る前の約60秒以内にすでに実施されているか、部屋を出た後10秒以内にすでにHH作動が行われており、清潔と見なした。467例はモニターした部屋の出入りが早く、清潔と判定できなかった。255例はHH作動ができなかった。このシステムにより記録されたデータを分析したところ、HH作動の半分が、アルコール・ディスペンサーを使用したスタッフの行動であった。

このHHの改善は、モニタリングシステムにより実施研究することで証明された。また、その改善の程度と継続性の判定は、大規模長期臨床試験により実験された。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.16 No.4 p8-10 Winter 2012

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