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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.4 Winter 2012

新生児集中治療室患児の医療関連血流感染症の単独予測因子としての在胎週数

Barbadoro P, Marigliano A, D’Errico MM, et al.
Gestational age as a single predictor of health care-associated
bloodstream infections in neonatal intensive care unit patients.

Am J Infect Control 2011;39:159-162.
 

新生児は、高い罹患率や死亡率につながる医療関連血流感染(BSI)のリスクが最も高い集団の一つとされている。近年、BSIの予防のためのサーベイランスの重要性が報告されているが、さまざまな因子が複雑に関連するBSI発生率を異なる施設間で比較するためにはリスク補正が必要であり、そのためには、感染に関連する因子を特定する必要がある。そこで、本研究では、医療関連敗血症のリスクを有する新生児を特定するため、種々の層別化モデルの有効性を比較する前向き観察研究を実施した。

対象は、2008年1月から2009年6月の18カ月間に、Riuniti病院の新生児集中治療室(NICU)に48時間以上入院した患児482例とし、感染症専門医の診断とともに在胎週数や出生時体重、カテーテル等の器具利用率、入院期間などを収集した。層別化モデルの有効性の評価はROC(Receiver operating characteristic)分析により行った。

対象患児のうち、BSIを発症したのは29例(6.2%)、BSI発生率は2.86件/1000カテーテル日であった。対象患児の平均入院期間は25±35日(mean±SD)、平均カテーテル留置期間は21±36日(mean±SD)であり、BSIを発症した患児の方が長期に渡ることが確認された(p<0.0001)。

また、在胎週数30週未満で生まれた新生児は107例で、そのうちBSIを発症したのは20例(18.7%)であったが、30週以上で生まれた新生児375例では9例のみであった(2.4%;p<0.001)。また、750g未満で生まれた新生児は35例で、そのうちBSIを発症したのは10例(28.6 %)であったが、1,500g以上で生まれた新生児309例では4例のみであった(1.3 %;p<0.001)。

結果より、BSIのリスクを有する新生児を特定する簡便な分類基準として、在胎週数の有用性が示唆された。ただし、本試験には試験規模が小さい等の限界があったことから、今後は更なる試験の実施が必要であろう。また、医療器具が乏しい環境における単独予測因子としての在胎週数の有用性を評価するため、さまざまな施設における試験の実施が期待される。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.16 No.4 p8-10 Winter 2012

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