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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.4 Winter 2012

2種類の手袋廃棄方法と2種類のゴミ箱までの距離における手指汚染および環境汚染レベルの比較

Joanna YF Lai, YP Guo, Peggy PL Or, et al.
Comparison of hand contamination rates and environmental contamination levels between two different glove removal methods and distances.
Am J Infect Control 2011;39:104-111.
 

手袋の着用は、感染者や汚染環境との接触により拡散した感染性病原体の伝播を予防するために重要である。しかし、適切に手袋を着用した場合でも、手袋の廃棄に起因する感染が発生する危険性が指摘されている。そのため、米国CDCではSARS流行以降、正しい手袋廃棄方法を推奨してきたが、その効果を検証した研究はない。そこで、医療従事者を対象として、2種類のゴミ箱までの距離において2種類の手袋廃棄方法を実施した際の手指および環境の汚染レベルを調査した。

試験は50名の医療従事者を対象とし、各医療従事者は手袋を着用した手に汚染物質の代替として蛍光溶液を塗布後、ゴミ箱から2フィートおよび3フィートの場所で、日常的な手袋廃棄方法(日常手順)と、以下に示す米国CDCが推奨する手袋廃棄方法(推奨手順)による手袋廃棄を行い、蛍光塗料の斑点数を調査した。

1.手首付近の外側をつまみ、汚染面が内側になるように返しながら手袋を外す。
2.反対の手で外した手袋を握る。
3.手袋を外した手を反対の手袋の袖口に差し込み、汚染面を内側に返すように外し、廃棄する。

その結果、手袋を外す場所の正面に付いた1cm²以下の蛍光塗料の斑点数は、推奨手順の方が日常手順に比して有意に少なかった。ゴミ箱までの距離については、2フィートよりも3フィートの方が手袋を外す場所の正面およびゴミ箱のふたに付いた1cm²以上の大きな斑点の数が有意に少なかった。汚染レベルは、看護補助者が他の医療従事者よりも日常手順において有意に高かったが、推奨手順ではその差はみられなかった。また、ゴミ箱までの距離や医療従事者の職種の違いによる日常手順と推奨手順における手指汚染率については差はみられなかった。

以上より、手袋の廃棄は、他の患者や医療従事者、ナースステーション等の正面を避けて行うべきであることが示唆された。また、感染源となるゴミ箱のふたへの汚染を防ぐため、ゴミ箱から一定の距離をおくことの重要性が示された。

本研究より、手袋の廃棄方法やゴミ箱までの距離は日常的な業務において考慮すべき点であり、併せて看護補助者等の職員への指導の必要性も示唆された。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.16 No.4 p8-10 Winter 2012

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