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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.16 No.4 Winter 2012

傷口を閉鎖する前のポビドンヨードの局所適用は血清中のヨウ素レベルの有意な増加に関係する

Wong RHL, Wong VWY, Hung ECW, et al.
Topical application of povidone-iodine before wound closure is associated with significant increase in serum iodine level.
Surgical Practice 2011;15:79-82.

ポビドンヨードは、外科的傷口ならびに切り口の閉鎖前に、細菌の負荷を減少させるために使用する汎用性の高い消毒剤溶液である。特に、心臓外科医は、縦隔内感染の予防および処理にポビドンヨードを頻繁に使用する傾向がある。けれども、その危険性についてはあまり知られていない。火傷患者にポビドンヨード溶液を繰り返し塗布した後の経皮吸収を通してのヨウ素の毒性については多数の報告例が認められるが、心臓外科患者におけるポビドンヨードでの1回洗浄後のヨウ素に関係する毒性の報告は散発例しか認められていない。すなわち、ポビドンヨードが汎用されているにも関わらず、その吸収特性と組織的ならびに系統的な全身への毒性については、ほとんど知られていないのが現状である。

われわれは今回、胸部の傷口の閉鎖前の日常的なポビドンヨードの局所適用後の心臓外科手術患者における、血清中のヨウ素濃度レベルと手術前の腎臓の機能との関係の研究を報告し、その潜在的な有害性を評価した。

心臓外科患者における傷口閉鎖前のポビドンヨードの局所適用の前後における血清中のヨウ素濃度を決定することを目的とし、40名の心臓外科患者における臨床的および実験的要因を分析するための前向き研究を実施した。

手術後の血清中のヨウ素濃度は、手術前より有意に上昇したが、その上昇度合いは、MDRD値の低い群のほうが有意に高かった。

今回の検討より、全身的なヨウ素の吸収は、事実である。すなわち、選択し、検討した心臓外科患者において、皮膚の閉鎖前にポビドンヨードを局所へ使用した場合、その後の患者の血清中のヨウ素濃度を測定すると、統計的に有意な増加が認められた。このことから腎臓の機能障害を有する患者においては、洗浄を繰り返すことは避けるべきである。したがって、ヨウ素の毒性が増す腎臓不全患者においては、過度の血清中のヨウ素を除くために透析の実施を考慮しなければならないと考えられる。

(訳:坂上吉一)

Carlisle Vol.16 No.4 p8-10 Winter 2012

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