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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.18 No.2 Summer 2013

院内感染に対するクロルヘキシジン浴の効果

Climo MW, Yokoe DS, Warren DK, et al.
Effect of Daily Chlorhexidine Bathing on Hospital-Acquired Infection. N Engl J Med 2013;368:533-542.

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRS A)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)といった多剤耐性菌は、多くの施設で蔓延している。クロルヘキシジン含有タオルで毎日入浴することにより、皮膚のVRE数やVRE獲得率が減少し、一次血流感染が減少することが各施設から報告されている。そこで、本研究では多施設でクロルヘキシジン浴の効果に関する調査を行った。 2007年8月~2009年2月にかけて、6つの病院の9つのICUまたは骨髄移植病棟でクロスオーバー試験を行った。9つの病棟を2つに分け、5病棟では最初に2%クロルヘキシジン含有タオル(介入期)で、4病棟では最初に抗菌薬を含まないタオル(コントロール期)で毎日6カ月間入浴し、その後の6カ月間はタオルを変更して入浴を行った。総数7,727人の患者で多剤耐性菌獲得と血流感染発症率を調査した。 介入期では、多剤耐性菌(MRSAとVRE)獲得率は1,000患者日当たり5.10に対し、コントロール期では1,000患者日当たり6.60であり、介入期で23%低かった(p=0.03)。また、院内血流感染率は介入期で1,000患者日当たり4.78に対し、コントロール期では1,000患者日当たり6.60であり、クロルヘキシジン群で28%低かった(p=0.007)。中心静脈カテーテル関連血流感染症率は介入期に53%低かった。病棟に7日間以上入院している患者では、介入期のコントロール期に対する一次血流感染相対危険率は0.69、14日以上入院している患者では0.51であった。 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌による一次血流感染率は介入期に56%減少し、真菌では53%減少した。中心静脈カテーテル関連血流感染率は、介入期にグラム陽性菌および真菌で有意に低下した。皮膚反応は介入期2.0%、コントロール期3.4%であり、介入とは関係がないと考えられた。皮膚反応の85%は軽度から中等度であり、重篤な皮膚症状は認められなかった。 クロルヘキシジン含有タオルで毎日入浴することにより、有意に多剤耐性菌獲得率と血流感染率が低下した。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.18 No.2 p8-10 Summer 013

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