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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Review

退役軍人事業の長期医療施設におけるMRSAに関連した感染の全国的減少

Martin EE, Stephen MK, Loretta AS, et al.
Nationwide reduction of health care─associated methicillin-resistant Staphylococcus aureus infections in Veterans Affairs long-term care facilities.
Am J Infect Control 2014;42:60-62.

米国の退役軍人事業局は1日12,000人以上にサービスを提供する長期医療施設133施設を管轄している。自発的なMRSA防止の取り組みは、退役軍人事業(VA)の生活コミュニティセンター(CLCs)でMRSAが認められたことから、2009年1月からこれらの施設で開始された。本論文は、2009年7月から2012年12月までのMRSA医療関連感染の減少について報告する。
200床以上のCLCsにMRSA防止コーディネーターが参加して実施された。MRSA伝播の可能性に基づいてリスク分類を行い、リスク別の対策を実施した。MRSAの流行は、CLCsの入居者に対し鼻腔サーベイランスあるいは入居48時間以内の培養によりCLCs入居のMRSA数として算出した。MRSA防止コーディネーターにより毎月、入院評価センターの国際データベースに結果を入力した。データは2009年7月に分析され、2012年12月まで延長された。自発的なMRSA防止の取り組みは、最初の月から年4回を比較した。この結果、MRSAの流行は23.3%から28.7%に増加した。サーベイランスの結果からMRSA保菌と感染入居者の割合は37:1であった。分析期間中に全てのMRSAによる医療関連感染の割合は、36%(0.25-0.16/1,000入居日)減少した。MRSA下気道感染とカテーテルに関連しない尿路感染の割合は有意に低下したが、デバイスに関連しないMRSA血流感染、肺炎、皮膚・軟部組織感染には変化がなかった。MRSA血流感染の約51%は中心ラインに関連し、58%の尿路感染はカテーテルに関連していた。全国的な分析期間中に中心ラインに関連したMRSA血流感染の割合は、0.07-0.02/ 1,000デバイス日に減少した。カテーテルに関連したMRSA尿路感染は、0.34-0.28/1,000デバイス日に減少した。これらのことから、自発的なMRSA防止の取り組みが個々の医療の場にネットワークを通して実行されれば、感染防止の簡単なバンドルと管理戦略に役立つと考えられる。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.19 No.2 p8-10 Summer 2014

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