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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.19 No.3 Autumn 2014

食道がん患者の術後肺炎予防における外来での術前ケアバンドルの効果

Hiramatsu T, Sugiyama M, Kuwabara D, et al.
Effectiveness of an outpatient preoperative care bundle in preventing postoperative pneumonia among esophageal cancer patients. Am J Infect Control 2014;42:385-388.

食道がん患者の術後肺炎は重篤な合併症であり、術後肺炎患者の致死率は20%と高い。呼吸訓練、口腔ケア、栄養管理および禁煙が、食道がん患者の術後肺炎予防に効果があることが示唆されているが、食道がん患者で術後肺炎を有意に減少したと論証した報告はない。本研究では、食道がん患者における外来での術前ケアバンドルの術後肺炎予防効果を報告する。
2007年2月~2009年8月にかけて食道亜全切除術を受けた食道がん患者で症例対照研究を行った。術前ケアバンドルは2009年2月から開始し、これ以前の症例をコントロール群とした。術前ケアバンドルは7つの手法からなり、3つの呼吸訓練(腹式深呼吸1日2回、呼吸訓練装置での訓練、呼吸筋ストレッチ体操1日1回以上)、2つの口腔ケア(歯科衛生士による口腔内清掃、歯ブラシと舌清掃)、栄養管理および禁煙である。外来にて感染制御看護師が各手技を個別に指導し、入院までの期間に7つの処置を行った。術後肺炎の調査は術後30日まで行い、術後肺炎発生率と気管支鏡により採取された気道分泌物から検出された菌を調査した。
対象症例はケアバンドル群26例、コントロール群214例であった。ケアバンドルの歯科衛生士による口腔内清掃と禁煙の実行率は100%であったが、他の方策で実行率100%であった患者は62~77%であった。全症例の術後肺炎発生率は20.4%(49人)であり、ケアバンドル群では3.8%(1人)、コントロール群では22.4%(48人)であった。術後肺炎の発症日の中央値は術後5日であった。術後肺炎を発症した34人の患者の気道分泌物から、α-StreptococcusNeisseria speciesおよびHaemophilus influenzaeといった常在細菌等が検出された。ロジスティック回帰分析により、術前ケアバンドルの実施は有意に術後肺炎を減少し(オッズ比0.16、95%信頼区間0.01~0.94)、食道がん患者の術後肺炎予防に有効であることが示された。

(訳:豊口禎子)

Carlisle Vol.19 No.3 p8-10 Autmun 2014

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