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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.19 No.3 Autumn 2014

手指衛生の自動電子モニタリングシステムに関するシステマティックレビュー

Ward MA, Schweizer ML, Polgreen PM, et al.
Automated and electronically assisted hand hygiene monitoring systems:A systematic review.
Am J Infect Control 2014;42:472-478.

手指衛生は医療関連感染の予防において最も効果的な対策の1つである。しかし、手指衛生コンプライアンスは未だ十分な水準には達していない。手指衛生コンプライアンスの評価手法としては、熟練者による直接的観察手法が最も一般的な手法とされているが、この方法は時間や費用、バイアスがかかることが懸念されてきた。そのため、手指衛生コンプライアンスのモニタリングを向上させるため、電子システム等のツールの開発が進められた。本システマティックレビューでは、電子システムを利用した直接的観察手法や自動手指衛生システムの実施状況や精度に関するエビデンスを評価するとともに、これらの手指衛生モニタリングシステムの効果について調査した。
文献調査にはPubMedを利用し、2000年1月1日~2013年3月31日までの文献を対象として、検索語“hand AND hygiene”、“hand AND disinfection”、“handwashing”を用いて検索した。文献を抽出した後、アブストラクトや試験方法等を精査し、自動電子システムの使用状況を調査した。
文献調査の結果、42報の論文が検索条件に合致するものとして抽出された。これらの論文を精査した結果、手指衛生に関する4タイプのモニタリングシステム(電子システムを利用した直接的観察手法、ビデオ録画による直接的観察システム、電子カウンター式の消毒剤ディスペンサー、自動手指衛生モニタリングネットワーク)が使用されていることが確認された。しかし、これらの自動電子モニタリングシステムの効果や精度に関して、数値的な考察を行っている文献は20%に満たなかった。
以上より、現状では、特定の自動電子モニタリングシステムの導入を推奨する十分なデータは存在していないことが認められた。そのため、今後の研究では、これらモニタリングシステムの精度や効果、費用面に関する評価も実施すべきである。多くの医療機関では、臨床研究上の制限や感染制御に使える予算の限度があることから、これらのモニタリングシステムを広く導入する前に費用対効果に関する分析が必要である。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.19 No.3 p8-10 Autmun 2014

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