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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.21 No.1 2016

NICU環境汚染における無症候性患者からのClostridium difficile拡散の重要性

Howard SF, Dryja D
Importance of asymptomatic shedding of Clostridium difficile in environmental contamination of a neonatal intensive care unit.
Am J Infect Control 2015;43:887-888.

新生児のClostridium difficile(CD)保菌は生後まもなく始まり、出生10日後には50%の新生児がCDを排出、30日後にはその割合は70%に上昇する。CD感染の年間発生率は入院した小児の間で増加している。感染経路は患者の皮膚や汚染した環境表面から医療スタッフの手指を介して拡散する。本研究は西ニューヨークバッファローにあるNICU 60床、年間約700~800人の乳児が入院している第三次小児病院で行い、環境サーベイランスは、NICU、小児、青年、血液がん病室の4つを対象に行った。当院NICUの小児が比較的高い保菌率であることを示し、またCDに汚染されていると考えられる環境表面の確認と、小児病院のNICUと他の看護室の環境汚染割合および汚染場所を比較するためにデザインされた。研究は三段階に分け、第一段階は小児の保菌状態を6カ月間調査、第二段階は病院の4つの区域内における14カ所の特定環境表面(3床の保育器手すり、ライトスイッチ、ベッドサイドのコンピュータ、看護室のPC、デジタル体温計、体重計、おしめの秤、電話、ナースコールボタン、手指消毒ディスペンサー、ドアハンドル(冷蔵庫のドアハンドル含む)、チャートホルダー、各看護室にある汚物室水場)から6カ月以上検体を採取、第三段階はNICUの高リスク環境表面から1カ月間検体採取を行った。
第一段階の調査においては、NICUの35人の小児から採取した便のうち9検体(25.7%)でCDが確認された。また第二段階の調査では120の表面培養のうち、CDはNICUの体重計と冷却装置から検出されたのみであった。最後の調査では、NICUのおしめ秤とその周辺、ベッド柵、体重計の各10検体を培養し、CDは5つのおしめ秤から分離された(50%)。小児病院において、NICUではCDによる汚染が確認され、無症候での保菌がみられた。1歳以下の小児の汚染されたおしめの処理と取り扱いについてNICUでは特に注意する必要がある。

(訳:白石 正)

Carlisle Vol.21 No.1 p8-10 2016

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