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Carlisle
医療関連感染情報季刊誌より
Vol.21 No.1 2016

ガイドラインに準拠し再処理をしたにもかかわらず生物学的培養および迅速判定インジケータにより検出された大腸内視鏡および胃内視鏡の持続的汚染

Ofstead CL, Wetzler HP, Doyle EM, et al.
Persistent contamination on colonoscopes and gastroscopes detected by biologic cultures and rapid indicators despite reprocessing performed in accordance with guidelines.
Am J Infect Control 2015;43(8):794-801.

消化器内視鏡は複雑な構造をした器具であることから、使用時の汚染が起こりやすい。内視鏡の再処理は、洗浄や高水準消毒などの多段階を経て行われる。しかし、ガイドラインに準拠して再処理したにもかかわらず、再処理後の軟性内視鏡を介した病原体の伝播が発生している。
そこで、本研究では、大規模な消化器内視鏡部門での再処理作業を観察し、ガイドライン遵守状況の確認を行った。内視鏡サンプルは、再処理過程のうち、病床での洗浄、用手洗浄、高水準消毒、および一晩保管の直後にそれぞれ採取した。汚染の評価は、目視検査、好気性培養、ならびに迅速判定インジケータ(アデノシン三リン酸(ATP)、タンパク質、炭水化物、およびヘモグロビン)の検査により行った。
その結果、研究期間中のすべての大腸内視鏡および胃内視鏡は、ガイドラインに準拠して再処理されていることが確認された。サンプル採取は、対象となった内視鏡15本から合計60回行った。好気性培養の結果、病床洗浄後(92%)、用手洗浄後(46%)、高水準消毒後(64%)、および一晩保管後(9%)の使用済み内視鏡から生菌が回収された。迅速判定インジケータ検査では、基準を超える汚染(タンパク質、炭水化物、ヘモグロビン、またはATP)が、病床洗浄後(100%)、用手洗浄後(92%)、高水準消毒後(73%)、および一晩保管後(82%)の使用済み内視鏡から検出された。可視性残留物は内視鏡表面には認められなかったが、内視鏡からのサンプル採取に用いた器材にはしばしばみられた。迅速判定インジケータ陽性であった7本の内視鏡については、追加的な再処理を実施した。対照とした未使用の内視鏡チャネルには、生物学的残留物および生菌は認められなかった。
米国のガイドラインに準拠して再処理を実施したにもかかわらず、臨床使用した消化器内視鏡には生菌および生物学的残留物が残存していた。このことから、現行の再処理ガイドラインは、適切な汚染除去を確実に行うには不十分であることが示唆される。

(訳:橋倉万由子、木津純子)

Carlisle Vol.21 No.1 p8-10 2016

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