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Vol.1 No.2
Review-3

 

常在菌としてのMRSA
Moreno,F.,Crisp,C.et al.
Methicillin−Resistant Staphylococcus aureus as a Community Organism.
Clin.Infect.Dis.,21:1308−1312,1995.


これまでの報告では、MRSAの市中感染は麻薬常用者や重篤な疾患を持つ者、介護施設入所者が主であった。
近年、MRSA感染が増加しているため、南テキサスの600床の大学病院で、21ヶ月間MRSAの調査を行った。
MRSAの症例は市中感染、病院感染、転送中の感染に分類された。MRSAの市中感染例に対して、MSSAの市中感染例を比べて、危険因子についての患者・対照研究を行った。調査の終わり8ヶ月間に収集した31株を特定するマーカーとして、パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)を用い、細胞のDNAタイプ別を行った。
結果は、21ヶ月の間にMRSA感染があったが、菌が分離された患者は170例であり、発生率は0.2(患者―日/1,000)であった。170の分離株のうち、99株(58%)が市中株対病院株の比は2:1であった。市中のMSSAに対して、市中のMRSAを区別するような特別な危険因子はなかった。従来いわれてきたような麻薬常用歴や施設滞在歴などとの関連性は認められなかった。調査した市中のMRSA分離株の多く(22株中15株、68%)が、病院内のMRSA分離株のかなりの数(9株中4株、44%)と同じく、独特なPFGEパターンを示した。
最近の報告では、MRSAの市中感染が増えてきており、病院の感染管理の手法にも現場での工夫が要求されてきている。
今回の研究によって、MRSA株は病院へ入院する時点ですでに普通に存在しており、MRSAの複数の菌種が市中と病院との両方にまたがって存在するということがわかった。
MRSA感染のサーベイランスや予防、感染管理についての明確な手法が、各病院施設ごとに開発される必要がある。(訳:西岡みどり)


Carlisle Vol.1 No.2 p8-10 May 1996