Review

Review INDEXCARLISLE INDEXHOME


Vol.2 No.3
Review-3

 

B型肝炎ウイルスに感染していて、e抗原を持たない4名の外科医師から患者への感染
The Incident Investigation Team and Others
Transmission of Hepatitis B to Patients from four Infected Surgeons without Hepatitis B e Antigen,
N.Engl.J.Med.,336:178−184,1997.


これまで、HBe抗原陽性の感染外科医師から患者へ、B型肝炎ウイルスが伝染することは繰り返し報じられてきている。
イギリスにおいては、HBe抗原陽性の外科医師が、医療従事者の血液に患者が曝露されるような危険がある処置につくことを許可していない。一方、感染が明らかでないなら、HBs抗原陽性キャリアーの外科医師は、HBe抗原が陰性である限り、臨床の医療処置実践において、なんら規制を受けることはない。
お互いに関係のない、4例の急性B型肝炎症例において、感染源の可能性として手術処置があげられた。そこで外科チームのメンバーを対象に、B型肝炎ウイルス感染の血清マーカーを検査した。
各症例ごとに、1名の感染外科医師がみつかった。そこで、4名の感染外科医師と、4例の感染患者の血清B型肝炎ウイルスのDNAを、PCR法によって増幅し、B型肝炎ウイルスゲノムにおけるヌクレオチド配列の鑑別を行った。
また、感染外科医師のうち3名によって、最近手術を施行された患者にも検査を行った。
結果は、4名の外科医師は全員、HBs抗原陽性のキャリアーであったが、血清HBe抗原は検出されなかった。外科医師のB型肝炎ウイルスDNAヌクレオチド配列は、該当する患者からのそれと見分けが付かなかった。さらに、他の曝露患者スクリーニング検査の結果では、少なくとも2例が、これらの外科医師のうちのだれかからのB型肝炎ウイルスに感染していた。
今回の結果より、HBs抗原陽性キャリアーの外科医師から、医療処理を通して、患者へB型肝炎ウイルスが感染することがわかった。(訳:西岡みどり)


Carlisle Vol.2 No.3 p8-10 Autumn 1997