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Vol.6 No.1
Review-3

 

緑膿菌による血流感染時と気道保菌時の換気管理に伴う超未熟児肺炎の相違
Cordero, L., Sananes M., Coley B., et al.
Ventilator-associated pneumonia in very low-birth-weight infants at the time of nosocomial bloodstream infection and during airway colonization with Pseudomonas aeruginosa.
AJIC, 28:333-339, 2000.


肺炎と血流感染(BSI)は超未熟児における最も一般的な院内感染であるが、緑膿菌が起因菌となることは新生児ではまれである。緑膿菌による院内感染は、高い罹患率と高い死亡率を持つことが知られている。そこで、緑膿菌によるBSIの時と気道保菌時で超未熟児における換気管理に伴う肺炎(VAP)の発生率の実態調査を実施した。1991〜1998年の間にオハイオ州総合医療センターで出生した全ての新生児を調査した。 
 この期間中6,310名の小児がNICUに入院し、1,571名は1,500g以下で出生、752名は1週間以上換気管理下にいた。緑膿菌BSIの超未熟児(VLBW)15名と緑膿菌気道保菌の33名(BSI者を含まず)を調査対象とした。BSI、VAP、気道保菌、気管支肺異形成(BPD)はそれぞれ区別した。胸部レントゲン撮影はNICUに入院中の呼吸器不全の子供全員から頻回に行った。その写真はBPDエドワードスコアシステムを用いて調査し、エアースペース疾患の3段階評価を行った。 
 治療は感受性抗菌剤、細菌学的ゲノムDNAの分析はパルスフィールド電気泳動ゲル(PFGE)で行った。その結果、BSI群およびBSIのVLBWの4名と気道保菌のVLBWの4名は同じPFGEタイプAを呈したが、NICU環境培養結果からは検出されなかった。BSIの時点で全ての患者に機械的換気が実施された。BSI患者の15名のうち14名は血液培養で緑膿菌(+)、血液培養で緑膿菌(−)の1名は気管培養で(+)、緑膿菌敗血症で死亡した2名の血液と同じタイプの緑膿菌であった。 
 BSI発現の前の週またはBSIが認められた時点で行った気管培養は、BSI出現15名中13名で緑膿菌(−)であったが、血液培養(+)の時点では全員(+)を呈した。他の2名はBSIの1〜2週前に気道に緑膿菌を保菌していた。15名中13名は抗菌剤を投与したが、BSI発症48時間以内に死亡した。気道保菌群の33名から149例の気管培養が行われ、細菌が検出された107例中緑膿菌のみ(42%)、保菌、腸のBSIを伴った緑膿菌(38%)、グラム陰性桿菌のみは20%であった。気道培養が陽性となった時点で33名の子供全てに換気管理がなされた。 
 レントゲン写真では、気道保菌3名中2名、BSIでは15名中13名に肺炎の「可能性あり」の診断がなされた。この結果から、換気管理を施したVLBWで気管培養(TC)の緑膿菌が(+)で、VAPはしばしば血液培養(BC)が(−)の患者は気道保菌が考えられ、生存率は高い。一方、BCとTCともに緑膿菌が検出されるVAPでは、抗生剤治療にもかかわらず高い死亡率を呈する。 

(訳:白石 正)


Carlisle Vol.6 No.1 p8-10 Spring 2001