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Vol.6 No.2
Review-3

 

オランダにおける透析患者のHCV感染の有病率と発生数:全国的な前向き研究
Schneeberger, P. M., et al.
The Prevalence and Incidence of Hepatitis C Virus Infections among Dialysis Patients in The Netherlands :A Nation-wide Prospective Study.
J. Infect. Dis., 182:1291-1299, 2000.


オランダの透析患者のHCV感染の疫学を評価するために、オランダの透析患者の52%を占める34の透析施設の患者を対象に全国的な前向き研究が行われた。 オランダの透析患者のHCV感染の有病率は1995年2.9%(67/2,281)、1997年3.4%(76/2,286)であり、1992年の血液、1994年の腎提供者のスクリーニングの導入対策をしても減少せず、透析施設内の院内感染は未だに発生している。さらに、1995年と1997年に行った124検体の超可変領域(HCV E2)の塩基配列の分析による系統発生の分析では、同一施設内の患者の塩基配列が塊をなし院内感染が示唆された。 
 危険因子分析のためのcase cont-rol研究によると、HCV感染の半分以上が過去の感染に由来する。オッズ比によると透析患者がHCVに感染する60%以上は1992年以前の血液透析、1994年以前の腎移植、外国での誕生または透析といった4つの相互依存的な危険因子が関与している。一方、新たなHCV感染の14人の患者のHCVの系統発生の研究では、患者のほとんどが院内感染であることを示唆された。 初回調査においてHCV陰性であった患者のうち、6つの施設の9人の患者が二度目の調査で新たにseroconversionあるいはHCV RNA陽性となった。つまりHCV感染の発生数は100透析年当り0.5件となる。 
 透析患者におけるHCV感染の正確な感染経路は不明であるが、いくつかの報告では厳格なuniversal precautionsの導入により感染を減少、あるいは除去までできたという報告がある(ベルギー1.4%から0.56%さらに0%)。透析患者における厳格な感染制御対策は、HCVのみならず血液感染の病原体に有効である。 
 透析患者のHCVを含む血液感染を減少させるために、一般的な衛生学的方法の強化、患者と透析スタッフの教育、定期的な病原体特異的試験を含む積極的なアプローチ、そして普遍的予防策の徹底した遵守が求められる。

(訳:仲川義人)


Carlisle Vol.6 No.2 p7-9 Summer 2001